背広の【ネーム刺繍】をきれいに取る方法|ri-haの洋裁部屋
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背広の【ネーム刺繍】をきれいに取る方法

さぶりん
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友人から譲り受けたり、親からもらった背広を旦那様に着せるときに違う名前の刺繍が入っていると気になりますね。

糸を解くだけの簡単な刺繍に見えますが、機械で細かく施された刺繍は思った以上に緻密に縫われていて、ほどく途中で背広自体に傷をつけやすいものです。

専門業者に頼めば1、500円~3,000円程度かかります。丁寧にほどく時間がなくて予算に余裕のある方は専門業者をおすすめしますが、時間と地道に糸を引き抜く根気のある方に対して自分でほどく方法を紹介していきます。ほどくには個人差がありますので時間に余裕をもって挑戦してみてください。

背広のネーム刺繍をとる材料はこの3つ(+1)

必要な材料はこの3つ

材料
  • 目打ち
  • リッパー
  • 毛抜
  • (ほつれ補修針)

主に必要なのはリッパー毛抜なので特段お金はかかりません

背広の刺繍は名字のみが多いので大まか1文字から3文字が多いかと思います。刺繍は背広の内ポケットの上部に刺繍されていることがほとんどなので今回は内ポケットの刺繍を解いていきます

ネーム刺繍の取り方

はじめに目打ちとリッパーの先の細さを比べてリッパーのほうが細ければ目打ちを使う必要はありませんが、リッパーは先端の下から広がっていて刺繍糸に先端を入れにくい時があります。

間違えて食い込みすぎてリッパーで背広の生地を傷つけてしまわないように目打ちを使って刺繍糸のみを浮かせていきます。

刺繍糸のみを目打ちですくう

刺繍の書体によって違いはありますが、糸幅の広い方から狭い方へ向けて目打ちを入れ込んで刺繍糸のみを浮き上がらせます。

次に浮き上がった空間にリッパーを入れて刺繍糸だけを切ります。文字のパーツごとに太い方から細い方へ切り込みをいれて行きます。

リッパーで全体に切り込みを入れる

一通りパーツごとに切り込みを入れたのがこんな感じです

糸はまとめて取ろうとしない

次に糸を引き抜く作業ですが、このときにまとめて糸を取ろうとしてはいけません。刺繍糸は常に上糸と下糸でつながっているので上糸をまとめて取ろうとしても切り込みを入れたからといってまとめてするっと取れるわけではありません

毛抜は斜めに持つ

毛抜は斜めに持って一本の刺繍糸を取るつもりで、上糸をひいていきます。切り込みを入れた先方を地道に引き抜くと、途中で下糸が見えてくる部分があります。下糸が見えてきたときには下糸だけを根っこから取るようにしてみてください。

すると下糸につられて上糸もするすると抜けるところもあります。あとは地道にこの繰り返しです。

取れました。地道に糸を一本づつ取る気持ちでやると実際にはきれいに取れます。

しかしながら、背広の素材によってはこのようにきれいに取れないこともあります。

「山口」の字の「山」の部分に小さく残る糸

例えばこの背広、糸の先端がきれいに取れずに残ってしまっています。こういうときは「ほつれ補修針」を使ってみてください。この針は洋服を引っ掛けて飛び出てしまった糸を裏の方へするっと簡単に通してくれる針です。

「ほつれ補修針」は引っ掛けてはみ出た糸を生地の中に隠してくれるすぐれものです。刺繍糸のはみ出た部分から中のほうに針を通すだけで糸を裏の方へスルッと引き込んでくれます。

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このように残った糸が隠れました。最後に残った刺繍糸もきれいに隠れています。補修針は手芸屋さんで購入できますので家に一つあると非常に便利です。

もしも刺繍糸以外の生地部分に傷がついてしまった場合、専門業者に頼んでも刺繍糸をほどく以上の時間と技術を要しますので金額も倍かかるつもりで相談することが賢明でしょう。

市販の溶剤を使ってみよう

これまで自分の家にある洋裁用具で刺繍糸を取る作業について説明しましたが、自宅にある道具で刺繍を取るのが困難な場合、刺繍糸を取るための専用の「トキトキ液」を使って取る方法もあります

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ただし、このトキトキ液は刺繍糸が専用の下糸を使っている場合のみの効果になりまります。下糸にこのトキトキ液を数滴垂らして刺繍糸になじませて上糸をひいいてみるとある程度するするとほどけていきます。

刺繍糸をとるのにかかった時間はおおよそ1着2文字で30分~1時間。心にゆとりを持って好きなラジオや音楽でも聞きながら地道にゆっくり丁寧に刺繍糸を引く作業をやってみてください。

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さぶりん
さぶりん
生涯学習インストラクター(洋裁)
1967年霧島市生まれ。自営店を手伝いながら学生時代を過ごす。文化服装専門学校卒業後就職後独立。一時期洋裁業がいやになり離れる。現在は料理・洋裁・DIY・ブログ執筆、ボランティア活動など幅広く活動中。2022年10月よりブログを開始。趣味はテニス
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