【洋裁初心者】スカートの裾上げを自分で始末する方法8選プラス番外編♪
お食事会に誘われて着て行くつもりのスカートを久しぶりに取り出してみたら、裾がほどけていてあわてたり、最近のトレンドに合わせてもう少し丈を短くしたいと思ったりしたことはありませんか?
そんなときはちょっとの時間で自分で補修してみましょう♪ここでは洋裁初心者でもできる簡易的な方法と、プロにも負けない手縫いの方法について解説していきます。
久しぶりに出してみたら、スカートの裾がほつれてる!!
自分でもかんたんに直せる方法があるわよ。
裾上げに必要な洋裁道具
まずは必要な道具と材料を準備するところからはじめます
裾上げに必要な道具はアイロンなどは、いつでも必要になってきます。しかしながら、ミシンやロックミシンを使う場合と手縫いでする場合とでは準備する道具に若干の違いがあります。(参考記事こちら)
何でも最初は準備が大切ですよ!
- スカート生地=自分で裾上げするスカート
- ミシン=家庭用ミシン
- ロックミシン=必要に応じて裾の始末をするためのミシン(※)
- アイロンとアイロン台=裾の折り目にアイロンをかけるため
- 裁断ばさみ=布を切るためのはさみ
- チャコまたはチャコペン=布に印をつけるため
- ものさしまたはスライドゲージ=裾の長さを測るため
- まち針=裾の折返しを固定するため
- 縫い針=生地にあった番手:手縫いやしつけのときに必要なため
- しつけ糸=縫う前に布を仮縫いするための糸
- ミシン糸=生地にあった色と種類
- 手縫い糸=裾をまつる糸
- あて布=アイロンをかけるときにテカリを防いだり、生地がのびたりしないように生地の上にかぶせる布。
- 試し布=ロックミシンや直線縫いミシンを使用する場合、縫い始める前に同じ布または近い素材の布で試し縫いをするための布
洋裁用語では「裾のはしの処理をする」という手仕事を「裾の始末をする」ともいいます
うわ~、思ったよりも、たくさん準備する洋裁道具があるなぁ
これから紹介する方法を参考に、必要な道具だけ準備するといいよ♪
裾上げは素材やデザインによってさまざまな縫い方がありますのでここで紹介している方法がすべて正しいというわけではありません。
裾の長さを変更する場合も、元々あるデザインの裾の縫製方法が最も適した方法と思われるので、同じ方法での縫い方を推奨します。
裾の折り上げる長さも元のスカートと同じ長さを心がけましょう
基本的な裾上げの方法5選(タイトスカートの場合)
スカートといっても、タイトスカートやフレアスカート、プリーツスカート、キュロットスカートなど形はさまざまあり、その形や素材によって裾の始末の方法もさまざまな方法があります。
はじめにスカートの基本的な裾上げの方法について5つのパターンを紹介します。
裾の縫い代を比較的ストレートに折り上げて縫えるのがタイトスカートになります。ここでは初心者の方でも比較的簡単にできるタイトスカートの裾上げについて解説していきます。
裾のほうにご注目ください。この裾はミシンでかけた始末になります。最も一般的な縫い方の一つといえます。
これからタイトスカートの裾の縫い方について以下の5つの方法を紹介します。またその縫い方について考えられるメリットとデメリットについて解説していきます。
1 三つ折りにしてミシンで直線縫いする方法
これは以前紹介したミシンの使い方(ズボンの裾上げ)と同じ方法になりますが、裾の折り代幅が表の裾幅とほぼ同じ場合、三つ折りにして縫っていきます。
- ミシン
- アイロン(アイロン台も)
- 糸
- 糸切りハサミ
- まち針
- しつけ糸
- ものさし(定規)
- あて布
- 試し布
ーミシンを使うメリット
- 三つ折りミシンを掛けると、生地の端が二重、三重に折り返されるため、ほつれにくくなり、スカートの耐久性が向上します。
- 三つ折りミシンは、縫い目がきれいに隠れるため、プロフェッショナルな仕上がりになります。
- 三つ折りミシンをかけることによって、生地の端が外部に露出せず、摩擦や引っかかりから守られます。これにより、生地が傷みにくくなります。また、デリケートな生地や薄い生地のスカートでも、三つ折り仕上げにすると長持ちします。
―ミシンを使うデメリット
- 三つ折りミシンは、生地を三重に折り返して縫うため、通常の縫い方に比べて手間がかかり、作業時間が長くなります。
- 三つ折りにすると、生地が重なり厚みが増します。特に厚手の生地の場合、縫うのが難しくなります。例えば厚手のウールやデニム生地などでは、家庭用ミシンでは生地の厚みがまして縫いにくくなる場合があります。
- ミシンを使い慣れない人にとって、ミシンの扱い方が難しく、縫い進めるまでに時間がかかる場合があります。ミシンに慣れない方は自分の持っているミシンの使い方を十分に理解して縫いすすめるようにしましょう。
これらのメリットとデメリットを考慮して、スカートの縫製方法を選ぶのが肝要です。適切な方法を考慮しながら、スカートの縫製を心がけていきましょう。
縫い方手順
ミシンで縫いたいところから0.5cm程度間を置いてしつけ糸でしつけをかけて折り目を固定し、しつけが終わったらまち針を取る(スカートの裾一周は長くなるので全体を均一にまち針でとめてからしつけをかける)
本縫い:表からしつけ糸より縫い代側をミシンをかける.
(ミシンのかけはじめは脇の縫い目のあるところからかけると目立たずきれいな仕上がりになる)
注:三つ折りミシンは裏からかけると表地とのズレが生じて波打ってきます。
これはミシンの抑えが強すぎたり、針目が細かすぎたり、または折り返した裏地と表地の生地のズレが生じておこることが考えられます。
表布と裏布がずれないようにしっかりとしつけをかけてから縫いましょう。
2 ジグザグミシンをかける方法(伸縮素材など)
表にもジグザグミシンの縫い目が見える方法です。家庭用のミシン出する場合にはこの方法が可能です。
- ミシン(ジグザグステッチ機能がついているミシン)
- ものさし
- 共布(試し縫い用)
- まち針
- しつけ糸
- (ニットの場合、専用の針と糸)
ージグザグミシンをかけるメリット
- ジグザグミシンは布地の端をしっかりと縫い合わせるため、生地がほつれるのを防ぐ効果があります。特に降りの粗い生地やほつれやすい生地に有効です。
- ジグザグミシンは伸縮性のあるステッチを作るため、伸縮性のある生地に対しても適しています。スカートの裾が少し伸びても、ステッチが引きつれずに美しいラインを保ちます。
- ジグザグミシンは直線縫いに比べて簡単で速く終わります。特別な技術や長時間の練習を必要とせずに、スカートの裾を仕上げられます。
―ジグザグミシンをかけるデメリット
- ジグザグミシンのステッチは目立ちやすく、特に薄い生地や透け感のある生地では仕上がりが粗く見えてきます。デザインや用途によっては、見た目が不適切になる場合があります。
- ジグザグミシンのステッチはほつれ防止には有効ですが、強度が劣ります。特に重い生地や負荷がかかる部分には、強度不足となります。
- 生地が厚い場合、ジグザグミシンで縫うと縫い目が盛り上がってしまい、仕上がりが不均一になります。また、ミシンが厚い生地を扱うのが難しくなる場合もあります。
ジグザグミシンをスカートの裾にかけると、ほつれを防ぎ、伸縮性のあるスカートの仕上がりを簡単にできますが、見た目の粗さや強度の不足、厚みのある生地への対応に注意が必要です。状況に応じて適切なミシンステッチを選ぶほうがよいでしょう。
縫い方手順
ジグザグミシンの糸調子や振り幅等確認を必ずする
3 裾の奥を手縫いでまつる方法
昔からやっている手でまつる方法になります。折り上げた裾の奥を手でまつっていく方法です。
- アイロン(アイロン台)
- ものさし(定規)
- 針と糸
- まち針
- しつけ糸
ー手縫いでまつるメリット
- 手縫いで裾をまつると、細かい調整ができるため、ミシン縫いよりも目立たず美しい仕上がりになります。特にフォーマルな衣服や高級な生地には手縫いが適しています。
- 手縫いでは、縫い目の大きさやテンションを細かく調整できるため、繊細な生地や曲線的なデザインのスカートに対しても適用しやすいです。
- ミシンがなくても、針と糸だけで裾をまつるのは可能なため、どこでも簡単に作業を始められます。手縫いに特別な機械は不要です。
―手縫いでまつるデメリット
- 手縫いはミシンに比べて作業速度が遅いため、裾をまつるのに時間がかかります。特に大きなスカートや複数の裾をまつる場合、かなりの時間が必要です。
- 手縫いでは、一定の間隔とテンションを保つのが難しく、慣れない人が手縫いをすると縫い目が不均一になりやすいです。縫い目が揃わなければ仕上がりに影響する場合もあります。
- 手縫いはミシン縫いよりも緩みやすいため、頻繁に着用するスカートの場合、裾の縫い目がほころびやすくなる可能性があります。特に動きの多い服には注意が必要です。
これは以前紹介したズボンのまつり方の紹介ですが、スカートのまつり方も同様にできますので参考にしてみてください♪
縫い方手順
ミシンで縫いたいところから0.5cm程度間を置いてしつけ糸でしつけをかけて折り目を固定し、しつけが終わったらまち針を取る(スカートの裾一周は長くなるので全体を均一にまち針でとめる)
4 裾に裏地をつけてまつる方法
裾のはしを裏布のバイアステープでくるみ、奥をまつる方法です
比較的透けない生地や、高級素材など丁寧に扱うことが要求される生地の縫い方になります。
- ミシン
- アイロン(アイロン台)
- 裏布(バイアステープ状にするため50cm程度)
- 裁断バサミ(裏布を切るために使う)
- ものさし(定規)
- まち針
- しつけ糸
- 針と糸
ー裏地を使ってまつるメリット
- バイアステープを使うことでスカートの裾がきれいに仕上がり、縫い目が目立たず美しい見た目を保てます。特に曲線やカーブのある裾に適しています。
- バイアステープは生地の端をしっかりと包み込むため、裾のほつれを防ぎ、耐久性を向上させます。これにより、スカートの寿命が延びます。
- バイアステープは多様な色や柄があり、装飾として使えます。これにより、スカートに個性を加え、デザイン性を高める要素にもなりえます。
ー裏地を使ってまつるデメリット
- バイアステープを使う作業は通常の裾上げよりも手間がかかります。正確にテープを縫い付ける必要があり、初心者には難しいかもしれません。
- バイアステープを購入する必要があるため、通常の裾上げに比べて追加のコストがかかります。特に高品質なテープを使用する場合、費用がかさみます。
- バイアステープを使用すると裾部分の厚みが増し、スカートの落ち感や動きに影響を与えることがあります。特に軽い素材のスカートでは違和感が出る場合もあります。
これらのメリットとデメリットを考慮して、スカートの裾をバイアステープでまつるかどうかを決定するとよいでしょう。バイアステープは見た目や耐久性の向上に役立ちますが、手間やコストの面でも考慮が必要です。
ここでは裏生地の色を変えてわかりやすく見分けられるようにしています。実際にはスカートと同色系を使って自分でバイアステープを作るようにしましょう
縫い方手順
長さが足りない場合はつないで1本にしておきます。
(バイアステープの作り方についてはこちらをごらんください)
裏布でくるむためアタッチメントの左側に縫い幅の約3倍の幅が必要になります。
5 裾上げテープを使う方法
市販の裾上げテープを使って裾上げをおこないます。これは最も簡単にできる方法です
- ものさし(定規)
- アイロン(アイロン台も)
- 裾上げテープ
ー裾上げテープを使うメリット
- 裾上げテープを使うと、縫う必要がなく、アイロンを使うだけで簡単に裾上げができます。裁縫スキルがない人でも手軽にできる方法です。
- 縫う作業に比べて非常に短時間で仕上げられます。急いでいるときや、時間がないときに便利です。
- 裾上げテープを使うと、縫い目が外から見えないため、綺麗でプロフェッショナルな仕上がりになります。見た目がすっきりし衣類の外観を損なわれません。
ー裾上げテープを使うデメリット
- 裾上げテープは洗濯や乾燥の繰り返しに弱く、時間が経つと剥がれてしまいます。長期間の使用には向きません。
- 裾上げテープは薄手の生地には有効ですが、厚手のデニムやウールなどにはしっかり接着しない場合があります。厚い生地には縫い付ける方法が適しています。
- 裾上げテープを使用した部分が剥がれてしまった場合、伸縮素材など、再度修理するときに接着面が強力なため、スカートが型崩れをおこし生地を傷める可能性もあります。(注:アイロンで熱を加えるときれいにはがれる場合もあるがあとが残りやすい)
これらのメリットとデメリットを考慮して、裾上げテープを使用するかどうかを決めると良いでしょう。短期間の使用や簡単に仕上げたい場合には適していますが、長期間の耐久性を求める場合は縫い付ける方法も検討する必要があります。
裾上げテープにも薄地用や普通地用と種類もあるので薄い生地なら薄地用、デニムのように厚い生地なら普通地用とスカートに合わせた厚さのものを選びましょう
縫い方手順
以上5つの方法について解説しました。
基本的にはこの5つの方法で裾の縫い方を参考にそれぞれの裾上げを行っていきましょう。
裾にむけて広がっていくスカートの裾をまつる方法
ここからはウエストから裾に向けてスカートがが広くなっていく場合の裾を縫う方法について解説していきます。
裾へ向かって広がっていくスカートといえばフレアスカートやプリーツスカートなどが代表的なものです.
なんだかむずかしそう・・・?
基本の縫い方は今と一緒だからそんなに構えなくても大丈夫!!
タイトスカートのように裾があまり広がらず下におりているものは裾をそのまま折り返して縫うのが理想的です。
または、セミタイトスカートなど少しだけ裾が広がっている場合は脇の縫い代を少し中にいれるなど調整するとよいでしょう。
6 フレアスカートの場合(ロックミシンをかけてまつる方法)
こちらは裾に向かって広がるフレアスカートを縫う前の縫い代付き型紙をイメージしたものです。
フレアスカートや丈の長いスカートは裾にいくいしたがってその広がりは増していきます。裾の広がりが広ければ広いほど、またスカートの丈が長ければ長いほど縫い代の幅は広くなり、折り返してまつるのが困難になってきます。
上図のように裾の広がりに合わせて縫い代も広がっていきます
この縫い代を出来上りに折り返すと下図のように縫い代が余ってしまい、このまま処理しようとすると裾が波打ったり、ずれたりしてきれいな裾に仕上がりません。
この場合は2つの方法が考えられます
1 ひとつめはロックミシンで縮めながら全体をロックをかけるという方法です。
2 2つ目は裾から5mm入ったところを手縫いでぐし縫いをして縮めるという方法です。
ここではロックミシンを使った場合の裾のまつり方については以下の手順でで縫う方法を参考にしてみましょう♪
- ロックミシン
- ロック糸(3~4本)
- しつけ糸
- 試し布
- アイロンとアイロン台
- まち針
- 縫い針
- まつり糸
縫い方手順
(※ ロックミシンの機種によって違いがありますので取り扱い説明書で使い方を確認してください)
7 プリーツスカート(ボックスプリーツ)の裾をまつる方法
プリーツスカートの場合、プリーツのラインが綺麗に入るほうが重要なので、全体を縫う前に先にスカートが前後別々の状態で裾を先にまつっていきます。
縫い方手順
8 巻ロックで縫う方法
ロックミシンを持っている方限定になりますが、巻ロックミシン仕様に変更して裾を縫う方法です。オーガンジーやジョーゼットなど薄地の装飾的なかがり縫いに使われます。
- ロックミシン(巻ロックができるミシン)
- ウーリー糸(2本)
- ロック糸(1~2本)
- チャコペン
- ものさし(定規)
- 試し布
- アイロンとアイロン台
- 薄い生地や透ける生地に裾の折り返しの必要がなく、表から透けずに無駄なラインが発生しない
- スカートの裾のイメージを一瞬で変え、リフォームの時間短縮になる
- 張りのある素材を使えば自然とヘムラインに動きがでて、躍動感あるデザインが生まれる
縫い方手順
番外編: 布用両面接着テープを使う方法(仮接着法)
本来の縫い方ではありませんが、時間がなく、応急処置的につける仮接着法です。
- 裾上げテープを使用すると、針や糸を使わずに簡単に裾を上げて、最も簡単で迅速な修正ができます。
- アイロンを使用するだけで、数分で作業が完了するため、時間の節約になります。
- 一度使用しても、再度アイロンをかけて裾上げテープを剥がし、再び新たに使う場合があります。このため、試行錯誤しやすく、調整が簡単です。あくまでも仮の接着としての使い方が一般的です。
- 裾上げテープはミシンを使わないため、縫製スキルがない人やミシンを持っていない人でも気軽に洋服の裾を調整するのに役立ちます。手軽さが大きな魅力です。
私でもできそうな気がしてきた♪
両面接着テープとは通常の片面接着芯とちがい接着芯の、のり面だけをテープ状にして表地と裏生地を固定させるために使うのよ。
ー両面接着テープを使うデメリット
両面接着テープは頻繁な洗濯や長期間の使用に耐えられない場合が多いです。接着力が弱くなり、裾が剥がれる可能性があります
両面接着テープを使用した仕上がりは、縫製による仕上がりと比べて見栄えが劣ります。特に高品質な服やフォーマルな服には適していない場合があります。
両面接着テープはすべての素材に適用できるわけではありません。特に厚手の生地や撥水加工が施された生地など、テープがしっかりと接着しない素材があります。
これらのメリットとデメリットを考慮して、用途や素材に応じて両面接着テープを使うかどうかを判断したほうがよいでしょう。
具体的な手順
スカートの上にあて布を当てて、仕上げアイロンをかけて出来上がり
まとめ
スカートの裾上げひつとって見てもさまざまな方法があります。今回紹介した方法が全てではありません。
同じ素材でも生地の厚みやデザインによって、裾上げ方法は変わってきます。それぞれにあった最適の方法を探して魅力ある服に仕上げる楽しさを感じてチャレンジしてみてくださいね♪