「縫い針と縫い糸:服作りの基本】布地にあった糸と針の相性を見極めるための3つのコツ■=布購入時必見!=■
例えばデニムを縫うとき、糸が切れたしまったり、針が折れてしまったことはありませんか?縫い始めようとしてもなかなか思うようにミシンが進んでいかない、ポリエステルの生地を縫っている途中で糸が引つったり針穴が大きく残ってしまったりして、全然先へ進めないそこのあなた、ちゃんと布に合った針と糸を選ぶことができていますか?これに注意しないと、作りたいものが上手く仕上がらないかもしれません。
今回は、布と針と糸の相性を見極めるための3つのコツをお伝えしていきます。洋服を作るとき、布の質感や厚みに対して糸の材質や太さが合っていなかったり、適切な針が設置されていないと、ミシンの不具合がおこったり、縫い進めていくうち布に穴があいたり糸がきれたりしてきれいな服に仕上がりません。
針が細いのに対して糸が太いとまず針穴に嫌われます。針穴に入って行きません。ジーンズのステッチ糸をつかって同じように縫おうとしたら糸がブツブツ切れてしまいます。
逆に以前使ったまま太い針を交換せずに縫おうとしたら、布は薄いポリエステルで針穴のあとがポツポツ残ってしまったらせっかくの風合いも台無しでこれは布に嫌われてしまう。いわゆる針と糸とのマッチングの不具合です。
おいしいコーヒーを作るつもりが砂糖と塩を入れ間違えていることに気が付かず、全然おいしくならなくて『コーヒーがまずい!』とコーヒーのせいにしてしまう。
それと同じでせっかく作った洋服が思ったようなイメージにならないとミシンのせいにしてしまう。
この記事ではそういった不具合がおきないように洋服を作る時に注意すべき3つのポイントについて紹介していきます。
その1:布の重さと厚さをチェックする
布の重さと厚さは、針がどれだけ簡単に刺さるかに影響します。布に対して細すぎる針や太すぎる針を使うと、生地を傷つけたり、飛び目が発生したりする可能性があります。
一般的なルールは、軽い生地には細い針、重い生地には太い針を使うことです。例えば、綿や麻などの生地には9号や10号の針が適しています。デニムや革などの生地には16号や18号の針が必要かもしれません。
その2:布の織り方と質感をチェックする
布の織り方と質感は、糸がどれだけスムーズに滑るかに影響します。布に対してざらざらした糸やつるつるした糸を使うと、しわやもつれが起こる可能性があります。
一般的なルールは、布の織り方と質感に合わせた糸を使うことです。例えば、ニットや伸びる生地には弾力性のあるポリエステル製の糸が適しています。また針は布の編地を傷つけないように針先に丸みのあるストレッチ針(ニット用針)がよいでしょう。
シルクやサテンなどの生地には光沢感のある絹製の糸が必要かもしれません。
【手縫い糸】
用途 | 糸番手 | メリケン針 |
しつけ糸 | 番手なし | 6,7,8番 |
絹しつけ糸 | 番手なし | 9番 |
ボタン付け 穴かがり | ポリエステル糸 20番 | 6番 |
絹・ウール | 絹手縫い糸 9号 | 7,8,9番 |
化合繊 | ポリエステル糸 45、40番 | 7,8,9番 |
絹・ウールの ボタン付け 穴かがり | 絹穴糸16号 | 6番 |
【ミシン糸】
用途 | 糸番手 | ミシン針 |
綿素材の ボタン付け 穴かがり | カタン糸 30、40番 | 16番 |
厚地の綿 | カタン糸 50番 | 11,14番 |
普通時の 綿 | カタン糸 60番 | 11番 |
薄地の 綿 | カタン糸 80番 | 9番 |
普通・厚地のウール 絹化合繊 | 絹ミシン糸 50番 | 9,11番 |
薄地の絹 | 絹ミシン糸 100番 | 7,9番 |
ステッチ用 | 絹ミシン糸 30番 | 14,16番 |
化合繊 混紡の普通地 厚地 | ポリエステル糸 60,50番 | 9,11番 |
化合繊 混紡の薄地 | ポリエステル糸 90番 | 9,11番 |
化合繊 混紡の厚地 | ポリエステル糸 30番 | 14、16番 |
ニット用 | ナイロン糸 50番 | 9,11番 |
普通、厚地の 裁ち目かがり | ロックミシン糸 90番 | 9,11番 |
薄地巻ロック用 | ポリエステル スパン100番 | 9番 |
巻ロック用 | ウーリーナイロン 110デニール | 11番 |
コツその3:布の色と柄をチェックして糸を購入する
布の色と柄は、作品の見た目に影響します。布と合わない色や柄の糸を使うと、美的効果が台無しになってしまうかもしれません。
糸は布にあった色を使うことで布と一体化してさり気なくその服の風合いをもたせます
一般的なルールは、布に溶け込む色や柄の糸か、意図的に対比させる色や柄の糸を使うことです。
布に溶け込む同じ色の糸は布を縫い合わせて形を作っていく地縫いと表に見えるステッチ糸の両方に使えますが、意図的に対比させるための違う色のステッチ糸の場合、ステッチ糸の少しのズレや歪みが布と色が違うため、目立って服の美的効果に影響があるので慎重に縫い進めていかなければなりません。
また、ミシン糸と共にボタン付け糸や手縫い糸など、デザインに応じて必要な糸を揃えることが重要です。
終わりに:糸を購入するときは布を持参
今回は布地にあった糸と針についてお話しましたが、最後にかならず気をつけてほしいことがあります。
それは布を購入するときには必ず糸をセットで購入しておくということです。あたりまえのように聞こえますが、糸には200色からなるたくさんの糸があります。
例えば同じ黄色でも布に合わせると浮いて見えたり白っぽく見えたりと似たような糸でもなかなか合致しない場合もあります。糸を購入するときには必ず縫う生地に当ててみて布地に溶け込むかどうか確認してから購入しましょう。
余談ですが、お店で販売している糸は傷みや汚れないようにフィルムで保護されているため、直接布と糸とを並べて比べた場合、販売しているお店の照明によって糸のフィルムが反射してわかりずらいときがあります。
そういうときは、ほしい糸の種類と番号を確かめて(または直接手に持った糸をそのままお店の人に一言「生地と糸との色合いを見たいので糸のサンプル帳の何番をみせてください」と伝えましょう。布に糸を合わせて布に溶け込む色あいなのかをきちんと確かめてから購入したおきましょう。