【破れた服の補修】破れた服をミシンできれいに自分で直す方法♪
「いつの間にこんなところが破れたのかな?」と思うようなところにできた破れ、思わぬところが破れてしまったらあなたならどうしますか。
結論から言ううと地域のお直しやさんなど専門業者に出すのが一番いいのですが、誰かに頼むとなると修復が終わるまでに時間がかかったり、もっていく手間や修理代、何より背広という社交的な立場での服には破れた服はもう着れないという気持ちになったりします。
破れたジャケットを直す方法
そこで、背広の破れを修理する方法について考えてみます。考えられることはこの2つのみ
①お直しやさんなど専門業者に依頼する
できることならかけはぎやさんで直したいけれども、これはまた細かな技術を必要とします。下のかけはぎは数年前に専門店に持って行って直してもらったところ、これは約2cm×2cmの部分で約3週間で直してもらったものです。
②自分で直す
自分で修理することでお金を節約し、大切な服を長く使い続けることができます。しかしながらプロの業を自分で使うことは困難なので少しでも目立たなく直す方法について考えてみます
見事なかけはぎです。プロのかけはぎならではの技です。洋裁をやっていても私にはこの技術はないので自分で直す方法について考えていきます。
破れた背広を自分で直すメリットとデメリット
背広を自分で直そうとする理由は背広は高価で、品質の良いものは長く使えるため、修理ができるとその寿命を延ばすことができます。また、修理に出すと修理代がかかり、時間もかかることがあります。自分で修理することで、費用と時間の節約ができます。
ではここで自分で直すことのメリッっっとデメリットについて考察していきたいと思います。
<自分で直すことのメリット>
修理に出すと、修理代がかかります。しかし、自分で修理すれば、修理代を節約できます。背広は高価なアイテムであるため、修理代がかさむこともありますが、自己修理なら予算を抑えることができます。
破れが生じた場合、修理店に出すまでの時間がかかります。自分で修理できれば、すぐに対処でき、背広を再び着ることができます。特に大切な場面での緊急の破れは、自己修理が便利です。
自分で服を修理することは、貴重なスキルを身につける機会です。今ではWEB上に自分で直すヒントが流れていることもあります。縫製や裁縫の技術は、日常生活において役立つだけでなく、趣味や創造的なアウトレットとしても楽しめます。
服の修理は、環境への配慮にもつながります。新しい服を買うことなく、既存の服を修理して再利用することは、廃棄物の削減に寄与します。持続可能なファッションの一環として自己修理を実践することは、地球にも優しい行動です。
背広などの特別な服は、愛着のあるアイテムであることが多いです。それを自分で修理することで、その服への愛着が深まります。修理を通じて、より一層服を着こなしたいという気持ちになります
<自分で治すことのデメリット>
服の破れを修理するには、時間と手間がかかります。特に裁縫や縫製のスキルがない場合、修理作業に時間がかかる可能性が高いです。
複雑な破れやデザインの服を修理するには、専門知識が必要です。特に高価な服の場合、専門家に修理を依頼した方が望ましいこともあります。自己修理は専門家の技術に比べて仕上がりが不完全になる可能性があります。修理跡が目立つことや、デザインの変更が難しいことがあります。
服の素材によっては、自己修理が難しいことがあります。特に特殊な素材やデリケートな生地は、専門知識が必要です
自己修理が不成功だった場合、服を台無しにするリスクがあります。修理が難しく、専門家に頼むべき場合もあるでしょう。
自己修理は一時的な応急処置として行うこともありますが、長期的な解決策ではないことがあります。修理が完璧でない場合、破れが再び現れる可能性があります。
これらのデメリットを考慮した上で、服の破れを自己修理するか、専門家に修理を依頼するかを判断することが重要です。修理の難易度や服の価値に応じて適切な選択をすることが大切です。
こうして比べてみるとデメリットのほうが多いジャケットのお直しですが、傷や穴のできている部位や状態によって、また緊急性のある場合などできる範囲での応急処置としての知識を身につけることで、自分でできる範囲の補修もあるかもしれません。
今回はその一部の参考になれればとの思いで自分で手直しするための具体的な手順について考えていきます。
破れた背広を直す具体的な方法
背広の破れを修理するためには、以下の手順を踏みます。
- 必要な道具の用意: まず、修理に必要な道具を用意します。縫い針と糸が必要です。針は小さなものが使いやすいです。また、糸の色は背広に合わせて選びます。場合によってはミシンを使います。
- 裏地をめくる: 破れた部分を修理する前に、裏地をめくって内側から縫うことをおすすめします。これによって、外から見える縫い跡を最小限に抑えることができます。
- 丁寧な縫い方: 破れた部分を丁寧に縫っていきます。針を使って生地同士を縫い合わせます。縫う際には、均一な間隔で針を通すことと、糸を引っ張りすぎないように注意しましょう。
- 結び目を作る: 縫い終わったら、針を通した糸を結び目にして固定します。これによって、糸がほどけるのを防ぎます。
- 余分な糸を切る: 結び目を作ったら、余分な糸をはさみで切ります。ただし、注意して服の生地を傷つけないようにしましょう。
注意点: 背広の生地は高級でデリケートなことが多いため、修理に慎重さが必要です。修理する際には、以下の点に注意しましょう。
- 縫い目が均一であること。
- 裏地をめくって内側から縫うことで、外部からはほとんど縫い跡が見えないようにすること。
- 結び目をしっかり作り、糸がほどけないようにすること。
破れた背広の補修前の観察(裏なしの場合)
この背広の場合、右脇の腰のあたり、日頃なにかに引かかりようもないような目立たない位置ではありますが、大きく3cmほどの破れになっています。破れにしてはあまり見ない位置のようにも思いますが、なにかに引っ掛けたのでしょうか。
裏を見てみると身頃の裏地は半裏仕立てになっているので、この腰の位置には裏地がないため、裏から見ても丸見えです。
素材はウール100%、付属でついている共布はなし、購入時はあったのでしょうが、なくしてしまう人は多いみたいですね。こういうときにしか必要にならないですからね。
この傷の他には特に目立つ傷は見当たらないので今回の傷はここを補修していきます
破れたジャケットの補修前の観察(裏付きの場合)
ジャケットが裏付きの場合、その裏の最後の始末をどこでやったかがポイントになります。つまり、表布と裏布をひっくり返すためにどこかで最後は必ず手縫いで始末してあることがほどんどです。
おおまかよくある位置を書いておくと
1・左袖口裏側の肘あたり
2・ジャケット見返し裾と裏布の切り替え線(千鳥掛け等)でまつってあるところ
3・裾と裏布の境目(奥まつりで縫ってあるところ)
以上の3点が最後の始末をした可能性の高い部分になります。手縫いの部分をほどいて表裏をひっくり返すとジャケットの裏側が見えてくるので裏を見ながら手直ししていくことができます。
補修に使う接着芯や糸とは?
着芯は裏側から表布を支え、美しいシルエットを形作り、 また布の伸びやほつれを防ぎ、縫製しやすくする効果もあります 芯の種類には、大きく分けると基布の片面に接着剤がついている接着剤と 表布に裏側から重ねてなじませて使う芯地がありまするが、 現在はアイロンで簡単に接着できる接着芯が主に使われています (文化服装学院通信教育 基礎 教本より抜粋)
接着芯にはアイロンでつけると決して外れない完全接着芯や毛芯、 何度か洗濯をするとだんだんはがれてくる仮接着芯があります こまかくいうと仮接着芯にも種類は色々ありますが 今回は小粒形状の接着芯と布を両面貼り付けることのできる両面接着クロスを使いました
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1・はじめにジャケットの裏に破れた3cmを囲んで4cm四方の共布を当てて縫うことにします。共布がないときには似たような布を裏にあてて縫います。
ジャケットと共布の間に両面接着テープをはさんで合わせます(下写真) 両面接着テープは接着樹脂のみなので両面とも接着できるので しつけのかわりにもなる便利なものです 生地には縦と横があるので本来なら同じ向きにするところですが 修繕する布は全く同じ共布ではないから 表からみて一番目立たない方向に共布を重ねます。
共布がずれないように接着芯で補強します。接着芯は両面アイロンで接着できる接着クロスを使うため、表布と共布の両方をとめることができます。今回は百均一のものを使いましたが布上になった両面接着はジャケットやコートなど大きいものを作るときにも役にたちます。
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接着芯を貼ったら次に裏の布を覆うように接着芯で補強します。このとき、脇の縫い代等他の布を挟まないように注意が必要です。他の布を一緒にアイロンであててしまうと表から見たときに一緒にアイロンされた布が段差となって表にひびいてしまうからです。
見た目にはこれで補修は終わりなのですが、この接着芯は何度か洗うと落ちるタイプなので、クリーニング等洗濯するとはがれおちて来ます。
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この補強をするために表からミシンをかけていきます。
かけはぎの方なら決して表からステッチなんてかけませんよね でも私には『かけはぎ』の技術はないのでミシンで補修することにしました
上図のミシンステッチを御覧ください。
上の糸は左から 30番 50番 100番 ミシン糸は番手が小さいほど糸が太くなり 数字が大きくなるほど糸が細くなります
ミシン糸はさまざまな番手(太さ)があり、それぞれ異なる特徴と用途があります。以下に、30番、50番、100番のミシン糸の特徴、利用内容、および使用者の需要を説明します。
30番糸:
- 特徴: 30番糸は比較的太い糸で、強度があります。一般的に、他の番手の糸よりも太く、目立つ縫い目を作ります。色鮮やかなデザインに適しています。
- 利用内容: 30番糸は主に装飾的な縫い目や強度が必要なプロジェクトに使用されます。例えば、デニム生地の縫い合わせやジーンズ、キルト、キャンバス、バッグなどの耐久性のあるアイテムに向いています。
- 使用者の需要: ファッションデザイナーやハンドメイド愛好者、アウトドア用品を作成する人々など、耐久性と目立つデザインを求める需要があります。
50番糸:
- 特徴: 50番糸は中程度の太さで、一般的なミシン糸のサイズです。多くの一般的な縫い物に使用されます。色のバリエーションが豊富です。
- 利用内容: 50番糸は一般的な縫い物に適しています。洋服、ホームテキスタイル、ベッドリネン、カーテン、子供服、シャツ、ブラウスなど、さまざまなプロジェクトで使用されます。
- 使用者の需要: 一般のミシンユーザー、家庭用ミシンで洋服を作成する人、ハンドクラフト愛好者など、幅広い需要があります。
100番糸:
- 特徴: 100番糸は非常に細く、軽やかな糸です。糸そのものが目立たず、縫い目が細かくきれいに仕上がります。一般的に綿糸やポリエステル糸が使用されます。
- 利用内容: 100番糸は細かい縫い物やデリケートな素材に適しています。ドレス、ブラウス、ランジェリー、シャツ、シフォン、シルク、薄手の織物など、軽やかな素材の縫製に使用されます。
- 使用者の需要: ドレスメーカー、テーラー、ランジェリーデザイナー、細かい仕事をするハンドメイドクリエイターなど、細かい縫製を必要とする需要があります。
このように、異なる番手のミシン糸は異なる特徴と利用内容を持ち、使用者の需要に合わせて選択されます。プロジェクトの種類や生地の種類に応じて適切な番手の糸を選ぶことが重要です。
今回は少しでも目立たなくする方法として ステッチ糸を細く100番を使用することとしました。
ミシンで補強
はじめに破れたところを囲むように四方をミシンで囲みます。すでに接着芯で破れた箇所をとめてあるので接着芯がとれないための補強として考えるとよいでしょう。
背広の繊維をよく見ながら縦ラインが目立つときには横ラインからミシンで縫って、次に縦ラインへと縫いすすめます。より目立つ繊維の方向をあとから縫うことによって、実際の繊維に近い形へ近づけていきます。
左がアップで、右が全体的にみた完成した状態です。『かけはぎ』のようにわからなくなるとまではいきませんが、それでも目立たなくなってきているとは思います。
ぜひ、破れたジャケットがあったら試してみてくださいね♪
それでもし、やってみてどうしても無理があるときには思い切ってスーツを新調することを考えておきましょう。これまでのスーツのランクを一段づつ落として、新調する新しいスーツを一番上において旦那様やお父様の社会性をワンランク上げるためにもきちんと体にあったスーツが1着は求められている証拠なのかもしれません。